明石市の空き家、台風・大雨で起きやすい建物被害とは

「明石は雨が少ない地域だから、空き家の台風対策は後回しでも大丈夫」
そう思っていませんか?

確かに明石市は年間降水量が少なく、温暖な気候が特徴です。ただ、近年は局地的な豪雨や大型台風の接近が増えていて、管理が行き届いていない空き家は深刻な建物被害を受けるリスクが高まっています。

この記事では、明石市の気候特性や過去の災害データをもとに、台風や大雨で空き家にどんな建物被害が起きやすいのかを解説します。被害を放置した場合の所有者の責任や、明石市で空き家を守るための具体的な対策についてもまとめました。

先に結論

  • 明石市でも 台風・大雨による空き家被害は実際に発生している
  • 2018年の台風21号で、市への空き家相談件数は前年比で 2倍に急増
  • 被害が第三者に及ぶと、所有者は 損害賠償責任を負う 可能性がある
  • 月1回の点検と、難しければ管理代行サービスの活用が現実的

明石市でも空き家被害は頻発している

明石市が公表している「明石市空家等対策計画」によると、2018年(平成30年)度に市へ寄せられた空き家に関する相談件数は154件に上り、前年度の77件から倍増しました。この急増の主な要因は、同年に関西地方を直撃した台風第21号や豪雨による建物被害です。

空き家は日常的な換気やメンテナンスが行われないため、わずかな雨漏りや外壁のひび割れが致命的な劣化を招きます。特に 屋根瓦の飛散や外壁の剥落は、近隣の住宅や通行人に直接的な被害を与える危険性が高く、所有者としての損害賠償責任を問われる事態に発展しかねません。

台風・大雨で起きやすい4つの建物被害

台風の強風や大雨は、老朽化した空き家の弱い部分を容赦なく破壊します。具体的にどんな建物被害が起きやすいのか、部位別に見ていきましょう。

1. 屋根瓦のズレと飛散

空き家の被害でもっとも多く、かつ危険なのが屋根の被害です。長年の風雨や紫外線にさらされた屋根瓦は、固定している漆喰や釘が劣化し、強風で容易にズレたり飛散したりします。特に1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準で建てられた古い木造住宅では、屋根の固定が不十分なケースが多く見られます。

飛散した屋根瓦は凶器となり、隣家の窓ガラスを割ったり、駐車している車を傷つけたりするだけでなく、最悪の場合は 通行人に重傷を負わせる恐れ があります。屋根材が失われれば、建物内部への雨水の浸入も始まります。

2. 雨漏りと内部構造の腐朽

屋根の破損や外壁のひび割れ、劣化したコーキング部分から雨水が浸入すると、深刻な雨漏りが発生します。人が住んでいる家であれば雨漏りにすぐ気づけますが、空き家の場合は長期間放置されるため、被害が拡大し続けます。

雨水が天井裏や壁の内部に滞留すると、木材の腐朽(腐ること)が急速に進行。湿気を好むカビや腐朽菌が繁殖し、シロアリを呼び寄せる原因にもなります。建物の骨組みである柱や土台がシロアリに食い荒らされると、耐震性が著しく低下 し、少しの地震や強風でも倒壊する危険性が高まります。

3. 外壁材の剥落と雨樋の破損

強風によって外壁材(モルタルやサイディングなど)が剥がれ落ちる被害も頻発します。外壁のひび割れ(クラック)を放置していると、そこから雨水が入り込み、内部の木材を腐らせるだけでなく、冬場には凍結と融解を繰り返すことでひび割れがさらに拡大します。

また、落ち葉や泥が詰まった雨樋は、大雨の際に雨水を適切に排水できず、溢れ出た水が外壁を直接伝って流れることに。強風で雨樋そのものが外れて飛散するケースも少なくありません。

4. 庭木の倒木と枝折れ

建物本体だけでなく、敷地内の庭木も台風の被害を受けやすい部分です。手入れされずに伸び放題となった庭木は、強風の抵抗を受けやすく、根元から倒れたり太い枝が折れたりする危険があります。倒れた木が 隣家のフェンスを押し潰したり、電線を切断したりするトラブル も報告されています。

明石市ならではの空き家リスク

明石市は「温暖で雨が少ない」という気候特性を持っていますが、それがかえって空き家管理の油断を生む要因になります。明石市ならではのリスクを理解しておきましょう。

過去の豪雨・台風による浸水被害

明石市の年間降水量は約1,073mmと全国平均を下回りますが、局地的な豪雨による被害は過去に何度も発生しています。例えば2004年(平成16年)の台風第21号では、1時間に84mmという猛烈な雨を記録し、市内で108箇所の浸水被害が発生しました。2008年(平成20年)のゲリラ豪雨でも、道路冠水や床下・床上浸水が多数報告されています。

特に 明石川流域の低地や海岸沿いのエリア では、大雨による内水氾濫(下水道の処理能力を超えて水があふれる現象)や高潮のリスクがあり、床下浸水による基礎の腐食に注意が必要です。

海沿い特有の「塩害」による劣化促進

明石市は南側が瀬戸内海に面しており、東西約16kmにわたる海岸線を有しています。そのため、海からの潮風による「塩害」を受けやすい地域です。

塩害は金属部分のサビを急速に進行させます。トタン屋根や雨樋の金具、外壁の釘などがサビて脆くなることで、台風の強風に耐えきれずに破損・飛散するリスクが高まります。海沿いのエリアに空き家をお持ちの場合は、内陸部よりもこまめな点検とサビ対策が不可欠 です。

放置すると怖い、所有者の法的責任

「空き家が壊れても、誰も住んでいないから自分だけが損をするだけ」と考えるのは大きな間違いです。空き家の建物被害が第三者に及んだ場合、所有者は重い法的責任を負うことになります。

損害賠償責任(民法第717条)

民法第717条(土地工作物責任)では、建物の設置や保存に欠陥があり、それによって他人に損害を与えた場合、その建物の所有者が損害賠償責任を負うと定められています。

例えば、台風で空き家の屋根瓦が飛んで隣家の車をへこませた場合、「台風という自然災害だから仕方ない」という言い訳は通用しません。日頃から屋根の点検や修繕を怠っていた(管理不全があった)とみなされれば、所有者が修理費用を全額賠償しなければなりません。

「特定空家等」への指定と行政指導

倒壊の危険がある、または著しく景観を損なっている空き家は、明石市から「特定空家等」に指定される可能性があります。指定されると、市から修繕や解体の指導・勧告を受けます。

勧告に従わない場合は、固定資産税の住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が最大で6倍に跳ね上がります。さらに命令を無視し続けると、行政代執行によって強制的に解体され、その莫大な費用はすべて所有者に請求されます。

明石市で空き家を守る3つの対策

台風や大雨による被害を防ぎ、所有者としての責任を果たすには、事前の対策と継続的な管理が欠かせません。

1. 定期的な目視点検と清掃

最低でも月に1回程度は空き家を訪れ、建物の外観や敷地内を点検しましょう。

  • 屋根瓦にズレや割れがないか
  • 外壁にひび割れや塗装の剥がれがないか
  • 雨樋に落ち葉やゴミが詰まっていないか
  • 庭の雑草や庭木が伸びすぎていないか

特に 台風シーズン(8月〜10月)の前 には、飛散しそうなもの(古い鉢植えや物干し竿など)を室内に片付けるなどの対策が必要です。

2. 専門業者による修繕と補強

目視点検で異常を見つけた場合は、被害が拡大する前に専門業者に修繕を依頼してください。屋根の漆喰の詰め直しや、外壁のコーキング補修など、小規模な修繕を早めに行うことで、将来的な大規模改修や解体のコストを抑えられます。

3. 空き家管理代行サービスの活用

「遠方に住んでいて定期的に通えない」「高齢で屋根や外壁の点検は危険でできない」という方は、空き家管理代行サービスの利用がおすすめです。

専門の業者が月に1〜2回、建物の外観チェック、室内の換気・通水、郵便物の回収、庭の簡易清掃などを行い、写真付きのレポートで報告してくれます。台風の通過後には、被害がないか緊急点検を行ってくれるサービス もあり、遠方にお住まいの所有者にとっては心強い存在です。

まとめ

  • 明石市は雨が少ない地域だが、台風・大雨による空き家被害は実際に発生している
  • 屋根瓦の飛散・雨漏り・外壁の剥落・庭木の倒木が代表的な被害
  • 海沿いエリアは塩害で金属部分の劣化が早く、内陸より要注意
  • 第三者に被害が及ぶと、所有者が損害賠償責任を負うリスクがある
  • 月1回の点検と、難しければ管理代行サービスの活用が現実的

「まだ大丈夫」と放置せず、定期的な点検と早めの修繕を行うことが、空き家トラブルを防ぐ唯一の方法です。ご自身での管理が難しい場合は、プロの力を借りることも検討してみてください。

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